実現したい未来

    
料理を楽しいと感じる人は、
どれくらいいるだろうか。 
 
私は食品メーカーに勤務し、
日本の様々な食シーンに携わってきました。
こんなに魅力的な業界は他に無いだろうと
心から思いました。
   
しかし同時に、危機感を覚えました。
このままでは日本の食文化は衰退してしまうと。
  
「時短簡便」多くの大手食品メーカーが
商品開発の軸に据えるテーマです。
現代人は時間がなく、
料理は手短に済ませたいと思っている。
  
だから時間がかからず、
簡単に済ませられるような商品を開発しよう。
と言ったものです。
 
この考えは確かに市場のニーズを捉えた、
嬉しい機能かもしれません。
 
しかし前提にあるのは、
料理は「簡単に済ませたいもの」
という認識です。
 
私は思うのです。
問題なのは、現代人に時間がないことではなく、
料理が「時間をかける価値がないもの」
として認識されていることではないかと。
 
そして危機感を覚えます。
「時間をかける価値がないもの」は
衰退して行くだろうと。
 
私はそんな予想し得る悲しい未来
を変えたいと思っています。
 
目指すのは「面白い食の未来」
 
これは、料理に価値を感じ、
面白さを求める消費者と、
その価値をさらに高め、より面白くしようとする
サプライヤー(食品メーカー、生産者)
で構成される未来を指します。
  
 
面白い食の未来へ
 
そんな未来の実現には
料理に価値を感じ、面白さを求める消費者、
つまり「料理好き」を
いかに増やせるかが重要になってきます。
 
そして、
どうしたら「料理好き」を増やせるかを考え、
開発しているのがSPICE IN THE HOUSEです。
 
 
「料理好き」は
どのように生まれるのでしょうか。
 
私は「キッカケ」と「継続」
が重要だと考えます。
 
開発時、200名に実施したのアンケートによると
「料理がとても好き」と答えた方の85%が、
料理を好きになったキッカケを
明確に覚えていました。
 
「大切な人に褒められた記憶」
「すごくおいしいものが作れた記憶」
 
この「キッカケ」のエネルギーが大きいほど、
「また料理をしたい。」
「もっと作りたい。」という感覚になり、
料理を続けるようになります。
 
料理を継続することで、
「結果的に」スキルが上がって
「料理上手=料理好き」になっていきます。
 
ポイントはキッカケのエネルギーの大きさと
継続による経験の蓄積です。
 
スキルはいきなり開花するものではなく、
継続することで蓄積していくものです。
 
つまり、経験が少なければ
上手にできなくて当前です。
 
ここに、矛盾した点があります。
 
「料理上手」はいきなり開花するものではなく、
徐々にスキルアップした結果であるはずなのに、
「料理好き」な人には、
経験の初期の段階(もしくは初めて)で、
「キッカケ」となる成功体験があります。
 
「検索したレシピが当たりだった」
「家族が料理上手だったので教えてもらえた」
 
このような「運」ともいえる
再現可能性の低い要素が、
その後その方が料理好きになるかを
決めているのです。
 
私はこの再現可能性の低さを、
限りなく再現可能にするため
このサービスをデザインしています。
 
SPICE IN THE HOUSEがまず提供するのは
「キッカケ」となりうる圧倒的成功体験です。
 
お店でしか食べられないような、
本格的なスパイスカレーを
初心者でもストレスなく作れます。
 
そして、サブスクリプションで
定期的に経験を積むことによって
ユーザーの皆さんは
「スパイスカレー」の領域において
強い自信を持つようになります。
 
「得意料理はスパイスカレーです。」
自信を持ってそう言えるようになります。
 
この「キッカケ⇒継続⇒自信」
によって料理好きになった皆さんは
スパイスカレーの枠にとらわれず、
様々な領域にチャレンジしていくことでしょう。 
そんな皆さんの好奇心をさらに満たすために
サービスが追加されます。
 
   
「料理好き」が増えることで、料理に
「面白さ」を求めるマーケットが出来上がり、
そのマーケットが広がれば
現状のような「いかに簡単か」ではなく
「いかに面白いか」が
価値の軸となる世界となります。
 
 
私はそんな
面白い食の未来
実現したいと思っています。